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発酵・醸造

発酵・醸造の歴史

微生物が地球上に誕生したのは 38 ~ 20 億年前、人類が誕生したのは 800 ~ 500 万年前と言われています。人類によって醸造が行われた歴史は大変古く、ビールやワインなどは紀元前にまでさかのぼります。酒・味噌・醤油を始めと する醸造物は全て微生物によって醸されたものです。

人類より先に誕生した微生物ですが、とても小さく私たちの肉眼では見ることができない生き物です。この微生物が私たちのすぐ目の前に存在していることが明らかにされたのは、1674 年オランダの科学者アントニ・ファン・レーウェンフックの顕微鏡開発が発端となります。 彼は、自作の顕微鏡を使って様々な小さいもの を観察しました。微生物もその中で初めて存在が知られるようになりました。発酵の正体が、この微生物の働きによるものであることが解き明かされたのは、それから 200 年後の1850 年頃 でした。フランスのパスツールという科学者が様々な実験によって、これまでの自然発生説を否定し、微生物の発酵がビールやワインの醸造を担っていることを証明しました。また彼は、微生物学には欠かせない殺菌法も開発しました。 一方、ドイツの科学者ロベルト・コッホは寒天培地という固体の培養基を用いることで、一つの微生物だけを選抜する技術(純粋分離技術)を開発し、このことも微生物学の発展に大きく貢 献しました。 このように先人の様々な功績により、1883 年にはデンマークのカールスバーグ醸造所で ビール酵母が、1895 年には東京大学で清酒酵 母が分離されるなど、現代ではそれぞれの醸造 物に適した微生物を用いて、より美味しく、安全に醸造ができるようになり、醸造が産業として発展していきました。

発酵と醸造の違い

発酵とは、微生物が自己の酵素で種々の有機物を分解あるいは変化させ,それぞれ特有で、より単純な最終産物をつくりだす現象です。アルコール発酵、有機酸発酵、炭水化物発酵、ビタミン発酵、アミノ酸発酵、核酸発酵、2次代謝産物発酵/発酵生産(ペニシリン、抗生物質、酵素、タンパク質など)など、様々な化学物質が発酵によってつくられています。自然界には人間に有用な化学物質を生産する微生物がたくさん存在しています。有用な成分変化を起こす場合を「発酵」、利用できないような変化を起こす場合は「腐敗」といいます。

発酵を嫌気発酵と好気発酵(酸化発酵) とに分類することもできます。

【嫌気発酵】酵母によるアルコール発酵、乳酸菌による乳酸発酵、酪酸菌による酪酸発酵・アセトンブタノール発酵、プロピオン酸菌によるプロピオン酸発酵、メタン細菌によるメタン発酵、大腸菌による混合酸発酵。

【好気発酵(酸化発酵)】酢酸菌の酸化能力によってアルコールから酢酸を生ずる酢酸発酵、カビがグルコースを酸素を使ってグルコン酸に変えるグルコン酸発酵。

「醸造」とは、複数の微生物の巧みな作用を利用して、私たち人類に有用なものを造り出すことです。またその過程で微生物が微生物を活性化したり、制御したりする複雑なものを、知識と経験から産業化したもの。味噌醸造、醤油醸造、清酒醸造、焼酎醸造、食酢醸造などと使われます。

微生物

発酵・醸造を担う微生物は、「糸状菌」「酵母」「細菌」の3 種類に大きく分類することができます。

「糸状菌」は、菌糸と呼ばれる糸状の細胞を形成 する菌で、いわゆるカビの仲間です。麹をつくる ときに用いられる麹菌(麹カビ)もこの仲間で、 なかでも黄麹菌(アスペルギルス オリゼー)は 日本の国菌とされ、清酒、味噌、醤油、味醂、食酢、 甘酒など多くの醸造食品に利用されています。 しかし黄麹菌以外にも、焼酎などに利用される 白麹菌(アスペルギルス カワチ)、泡盛などに 利用される黒麹菌(アスペルギルス アワモリ) など様々な麹菌が存在しています。また麹菌以 外にもクモノスカビ(リゾプス)の仲間が中国や 東南アジアで酒類や発酵食品(テンペなど)に、 青カビ(ペニシリウム)がチーズ類に利用されて います。これら糸状菌は原料に含まれるデンプ ンや蛋白質を糖やアミノ酸に分解するため、発 酵食品を甘くしたりうま味を増したりする働き をしています。

「酵母」は単細胞で生活する菌の仲間で、大きさや細胞の構造により細菌と区別されています。 代表的な酵母はサッカロミセスセレビシエです。この酵母は非常に多くの食品に利用されて おり、実用的に清酒酵母、ビール酵母、ワイン酵 母、パン酵母などに区別されています。この酵 母は糖をアルコールに変える働きがあり、ほとんどの酒類はこの酵母を利用して造られています。また、アルコールと同時に二酸化炭素のガス を出すのでパン生地を膨らませています。ビー ルやシャンパンが炭酸を含んでいるのはこのガ スが溶け込んでいるからです。

「細菌」類は酵母よりもさらに小さい微生物です。細菌というとバイ菌のようなイメージを持っている方も多いかもしれませんが、乳酸菌、 酢酸菌、納豆菌など、発酵食品の製造において重要な菌も存在しています。乳酸菌はヨーグルト、 チーズなどの乳製品から漬け物やなれ鮨など 様々なものに利用されており、種類も多種多様 です。乳酸菌は糖を乳酸に代える働きがあり、発酵食品に酸味を与え、腐敗を遅らせる働きがあ ります。また腸内環境を整え健康にも良い働きをします。酢酸菌はお酢を作るのに利用されている他、ナタデココの製造にも利用されています。納豆菌は大豆の消化を良くし、うま味を増してくれる働きをしています。


 

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